結局今年は初投稿しかできませんでしたが、大晦日の今日は投稿します。
今年も一年間があっという間に過ぎてしまい、やりたいことの半分も出来ずに
終わってしまいました。
今年、僕が最もやりたかったことは
「工場全体の意識改革」です。
タイのとある工場で課長として仕事をしていますが
- 中間管理職として上役の意識を変える
- 課員の意識を変える
- 自部署を強い組織にして、周辺部署の意識を変える
ざっくり言うと上の3つが僕の最もやりたかったこと。
①上役の意識を変える
上役の皆さんと話しているときによく耳にするのが
「この仕事はタイ人にまだ任せられない」という言葉です。
私が疑問に思うのは「何を以ってそう判断しているのか」です。
タイ人は決して能力が低いわけではなく、「上位方針がタイ人に伝わっていない」
だけだと考えます。
我々は「タイで仕事をしている、させてもらっている」という気持ちを常に持つ必要が
あります。
つまり「日本人組織からの脱却」が我々の至上命題だと位置付けるべきで、
本来僕のような中間管理職など悪影響でしかないのです。
上役自らローカルスタッフに語り掛ける、思いを伝えることが必要であり
私の存在価値はせいぜい「思いを浸透させる為に価値観の土壌を作ること」だけ。
僕の会社では未だ、【日本人だけの会議】【日本人だけに指示が出る】という場面が
多々あり、上役の方々から「日本人だけで情報共有するな!」という指摘が出るように
仕向けることが私のやりたいことでした。
②課員の意識を変える
先ほど話をした「価値観の土壌を作ること」がこれに当たります。
海外工場の立ち上げにおいて「ローカルスタッフの能力・知識を高めること」は必須で、
ここに目が行きがちですが、幸運にも私の課はこの段階を既に達成しています。
*具体的には私の作る生産計画と遜色ない計画がタイ人から報告される、等
私の経験では本当に難しいのはこの次、「価値観を擦り合わせる」段階です。
例えば日本の職場でありがちな「形式に拘る」とか、「事前の根回しとして報告する」
なんてことをタイ人に理解して実践してもらうことです。
私は仕事を円滑に進める、最終的な工数を減らすために根回しは必要だと考えているし、
これを否定するつもりはありません。
よく「タイ人は時間にルーズだ」なんていう人がいますが、正にその通りだと思います。
一方、タイ人は「報告会に遅れる人がいるなら他から始めればいいのに、
何故全員揃うまで報告が始まらないの」なんて質問が来ます。
我々は違う国で生まれて、違う国で育っているので価値観が違うのは当たり前です。
これを乗り越える為には地道に「日本人が何を考えて、何を理由に」という根拠、
大げさに言えば国民性を話して理解してもらうことが必要です。
これ自体は難しくないのですが、本当に難しいのは「価値観の共有が押し付け」に
なってしまう危険があること。
当然我々はタイという国で事業を展開し、タイ人が主役になる訳ですから
彼らがどうしても納得できない点は歩み寄るべきなのです。
これに対して残念なことに「どうせタイ人はルーズだから」と諦める人がいるのが事実。
*ここは別の機会に日本人の無意識な差別意識について話します。
私たちはタイという国で将来の夢を育てて、タイ人に思いを託すリレーをしています。
このリレーの第一走者が相互理解の匙を投げてしまっては、どれだけ第二走者が優秀でも
レースには勝てません。
2017年から実施していますが、私の課では「週一の勉強会」(Off JT)を開いています。
そこでは業務知識も勿論「この会社の価値観は何たるや」「日本人のマインドは如何」、
という話をしています。
*仮に課員が転職しても、彼らの糧になると信じて始めました。
そういう意味でここは今年、手応えを感じられた内容でした。
③周辺部署の意識を変える
ここは正に生産管理の真髄だと私は思います。
工場に留まらず、販売・調達・製造・会計・人事など様々な部署から情報を収集して
俯瞰的に見渡す司令塔だからこそ「今がその時」という緊張感や、
「我々はこうあるべき」という計画や将来図を周囲に認識させることができます。
少し青臭いですが「我々の計画に思いを乗せて、思いの力で周囲を動かす」ことが
できる部署です。
そのためには計画の見せ方、話し方、語る言葉の種類などを吟味していく能力が
問われます。
「常に二階級上の人間に納得させ、動いてもらう人間になれ」という教えを
新入社員時代にもらい、正にその通りだと思います。
*この文章の通り、私の言葉では同位の人も動かせないレベルですが。
常に課員の一人一人が一職場を統括・牽引できるリーダーになって欲しいというのが
私の思いです。
そういう意味で、①の現状がある以上まだまだ達成できていない課題です。
ダラダラと書きましたが、
「タイ人に対する尊敬と、妥協しない意思」が我々駐在員に求められる最低条件だと
いうことです。
ミャンマーの片隅で、独り大晦日に徒然なまま今年を振り返ってみました。
明日は長年憧れていた朝日を見に早起きしないと。
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